
群馬大学医学部保健学科長・
大学院保健学研究科長
齋藤 貴之 SAITOH Takayuki
全人的医療を担う次世代のリーダー育成に向けて
群馬大学医学部保健学科は、「人間の尊厳と倫理観を重んじ、多様性を尊重する姿勢を備えた、社会で活躍できるリーダー人材の育成」を理念に掲げ、保健医療の現場で求められる高度な専門知識と技術、そして豊かな人間性を兼ね備えた人材の育成に力を注いでいます。
本学科には、看護学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学の4専攻が設置されており、専攻間の連携による医療安全や多職種連携を重視した教育を実践しています。学生は、専門分野の枠を超えた協働を通じて、全人的医療を実現するための基盤を築いています。
さらに、保健学研究科は、保健学単独としての大規模な大学院で、「多職種連携教育(IPE)・医療安全・公衆衛生・デジタルイノベーションを基盤とした、地域と世界をつなぐ実践知の保健学研究拠点」になっています。
医療・保健分野は、超高齢社会、災害リスクの増大、生活習慣病の進行、地域格差、そしてAI技術の発展など、複雑で多様な課題に直面しています。こうした変化の中で求められるのは、深い専門性とともに、複数領域をつなぎ、新たな価値を創造する力です。
本研究科は、看護学・生体情報検査科学・リハビリテーション学・パブリックヘルスの専門性を有し、「教育」「研究」「地域共創」「国際展開」の4つの柱を中心に、未来を創る保健医療人材の育成を推進しています。
群馬大学保健学の特徴
- 多職種協働と医療安全教育のリーダー
医学部附属病院や地域医療機関と連携し、WHO 協力センター(群馬大学多職種連携教育研究研修センター:WHOCC)を核に、IPE(Interprofessional Education)と医療安全教育を体系的に学べる全国有数の拠点です。
- デジタルヘルス・AI・ビッグデータを活用した先端的保健学教育
AI、地域健康データ分析、LoRaWANによる環境モニタリングなど、デジタル技術と先端的な保健学の融合を推進しています。
- 地域との共創による課題解決型研究
群馬県・太田市・前橋市など自治体、企業と協働し、防災ヘルスプロモーション、フレイル予防、地域包括ケア連携など、地域の課題解決型研究を展開しています。
- 国際教育・国際研究のグローバルの推進
モンゴル・フィリピン・イギリス・アメリカなど海外大学と連携し、学生の海外研修・国際共同研究など、グローバルな学びと研究機会を提供しています。
保健学科の理念及び教育目標
保健学科のカリキュラム・ポリシー
保健学科の学修成果の目標は、以下の6つの柱から成り立っています:
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
- 保健医療の中核を担うために、高度な専門知識と技術を備え、リーダーシップを持つ者【高度な専門知識と技術、リーダーシップ】
- 人間の尊厳と倫理観を重んじ、全人的医療に貢献する能力を持つ者【倫理観】
- 地域社会および国際社会における保健医療の様々な課題を発見し、柔軟な思考と的確な判断力で課題解決能力を持つ者【問題発見能力と課題解決能力】
- 多職種連携と医療安全に責任を持ち、関係する人々と相互理解と信頼関係を築ける者【協働力】
- グローバルに対応できる自己成長力と意欲を持ち、国内外の国際保健に貢献できる能力を持つ者【グローバルな対応力】
- 自らの将来像を見据えて自己研鑽し、地域社会・国際社会に働きかける積極性を持つ者【自己研鑽力】
これらの目標を達成するために、学生一人ひとりが主体的に学び、成長できる環境を整えています。卒業後は、保健医療の現場で即戦力として活躍できるだけでなく、将来的には教育者や研究者として、保健医療の発展に寄与する人材となることを期待しています。
保健医療の分野は、日々進化し続けています。その中で、変化に柔軟に対応し、常に学び続ける姿勢が求められます。本学科での学びを通じて、皆さんが未来の保健医療を担うリーダーとして羽ばたいていくことを心より願っております。
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